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3年間の作品を展示いたします。どうぞご覧ください。
2005.5 小山利枝子
2005年 長野市のギャラリー82での個展に際して

 新緑の候、皆様いかがお過ごしでしょうか。
来る5月31日から6月5日まで、長野市のギャラリー82で個展を開催いたしますので御案内申し上げます。

大学卒業直後の初個展から、様々な場所で個展を開催し、それぞれその時々精一杯の展示をしてまいりましたが、とりわけ地元長野市のギャラリー82での個展 は、3年に一度というサイクルと広いスペースからくる展示作品の多さという両方の要素で、自分の作品を検証する上で大変重要な意味をもっています。そして 7回目のサイクルが今年巡ってまいりました。過去3年間に長野市以外で展示いたしました大作に最新作を取り混ぜ、約50点展示する予定です。

長年にわたり私の色彩イメージの核となっていたのは、強烈に輝く夕焼けの光でした。しかしここ数年は曇り空の中に見いだせるような微細な光の変化に関心が むいており、昨年までの3年間はダイナミックなエネルギーのうねりを繊細な光により表現する画面の追求に費やしてきました。その結果色彩はどんどん淡く なっていき、今回の案内葉書の作品「すべては満ち溢れる」は(縦約2.3メートル横約4.4メートルの大作で、昨年6月に初めて大阪のキュービックギャラ リーで個展をするために制作し発表いたしました。)その流れの終着点となる作品です。この作品を制作発表した後、私の中に、いつの間にか封印してしまった 強い色彩のもつ豊かなエネルギーに対する意欲が、再びわき起こって来ました。大自然の美しい光景を目にしたとき、それに呼応して自分の内側に眠っていた名 状しがたい感情が立ち上がって来ます。その感覚を色彩が喚起する感情にゆだね、より豊かな絵画表現を目指して制作しています。

なぜかこれから自分の作品世界が今までになかった場所に移行していきそうな予感がしています。それがどこなのか今はまだわかりませんが、ただ漠然とした予 感があります。最近、見慣れた身近な風景がより輝きを増しているからです。今回はそういう意味で大きな節目になる個展と思っています。どうぞ作品をご覧い ただきご感想をお聞かせください。会場でお待ちしております。

2005年5月 小山利枝子

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